「俳優の世界の世代的断絶」になるほど

m@stervision:この世の外へ クラブ進駐軍(阪本順治)レビュー

どうやら日本映画はついに敗戦後から東京オリンピック/大阪万博までの35年間をも「時代劇」と呼ばなくてはいけない時代に突入したようだ。これは(あなたが1970年以前の生まれなら感じているはずの)世代的断絶が俳優の世界にも波及して来ているのである。なにがどうとは、うまく言えないのだがそれ以前の日本人とそれ以降の日本人では意識の持ち方がハッキリ異なる。考え方が違う。使う言葉が違う。何より日本語の発音が違う。

この映画は観ていないのでアレヤコレヤいうのは気が引けるものの、このm@sterさんが言っているところの「世代的断絶」というのにはナルホドと思ってしまう。
この世の外へ?』という映画は戦後まもなくの米軍基地クラブの雇われバンドマンたちの青春を描いた物語。若さだけじゃない薄っぺら感がある世代、というのがなんとなくわかる。そんな世代(70年代生まれ以降)に戦後すぐの若者を演じさせても今ひとつピンとこないのだ。70年代以降の生まれというとちょうど高度成長期?バブル期に子供だった世代。「一番なんにも考えないですんじゃった時代」といった印象がある、子供ならなおさら。平和ボケボケ期な子供時代。
そこでm@asterさんは仮定する。主役の萩原聖人が佐藤浩一だったら?松岡俊介の役を豊川悦司が演じていたら?なるほどである。

この冬にいくつかの小津作品をバタバタと観た雑感とも照らし合わせてみると・・・これまた古すぎる若者ではあるけれど、やはりどれだけハイカラであろうとドライであろうとどこかなんともいえないしみったれた湿っぽさがあって、そこらへんが「あぁ日本人」といったところかなと思う。
時代モノ(時代劇とは違う)を観たときになんとなく感じてた違和感の原因はコレだったのかー、と妙に納得。