公開時に蜷川監督は「アイドル映画をつくった」と言っていたのが印象的だったこの作品。やっぱり由緒正しきアイドル映画でした。
題材は少年犯罪、サスペンスの要素を持っているものの、ごく平凡な少年・秀一が、家族を守らねばと目覚め、苦悩の末に完全犯罪に手を染めていく姿はあまりにも青臭くて切なくて。ほのかに好意をのぞかせる紀子との仲も見つめ合うだけでなんとなく会話になっちゃう秘密めいたところもちょっと穿った目で見てしまうとかなり恥ずかしい。でもそれが青春アイドル映画ってやつじゃないでしょか?
秀一を殺人へを駆り立てるにふさわしい(?)どうしようもない大人・曾根を山本寛斎が好演、本当に憎たらしくてどうしようもなくて、と同時に関心してしまった。これで世界的デザイナーだもの。二宮和也、松浦亜弥の両アイドルも評判どおりで、二宮はもともと定評あるのでそれこそ安心して見ていられたけれど(ジュニア時代のあのやる気のなさはいずこへ)、あややもちゃんと普通のコをやっていてトーン低めで落ち着いてて、でもちょっとミステリアスで、といって役どころを上手にこなしていた。そしてラストシーンの彼女のあの表情はちょっと凄かった、ビックリした。
青の炎 ★★★