列車に乗った男

列車に乗った男列車に乗った男』を観ました。
「ルコント+ジャン・ロシュフォール」というだけでかなり期待させてくれる一本。
今回はそこにジョニー・アリディというまた味のある俳優さんが加わりました。過去には「フランスのエルヴィス」としてアイドル的な人気を博したそうですが、本作品では一転、寡黙なアウトローを演じています。そのプレスリーっぷりを知らない私としてはそっちのほうが想像もつかないぐらい。(出演作であるところの『アイドルを探せ』とかは観ているのだけど、ぜーんぜん記憶にない)
地味で渋い男たちの良質なドラマでした。

男女の愛の世界ばかりを描いてきたルコント監督が描いた新作はわずか3日間に過ぎないふたりの男の究極の“愛”の世界。
ここで言う愛とはいわゆる恋愛ではなくて憧憬の愛、ロマンである。まったく性格も境遇も違う二人が、たぶんおそらく一生かかわることのない種類の人間同士が偶然にもかかわり、心のそこの深いところで憧れあう。
歩み寄りそうも無い二人が3日間一緒にいることでそれぞれの考えや行動に少しずつ影響を与えていく。「あぁ、こんな人生もよかったなぁ」と思わせていく。
二人がだんだんと歩み寄る過程で起こす行動にある種の照れが感じられ、そこにささやかな「おかしみ」と「よろこび」が見え隠れして楽しかったり、自分の心底にある希望に気づいた瞬間の驚きと感動をさりげなく見せてくれる。
ひとつの人生を生きるだけなはずだった男たちのもう一つの人生が見えた3日間。
列車に乗った男★★★★

7 Comments

  1. 列車に乗った男/L’HOMME DU TRAIN
    邦題:列車に乗った男
    原題:L’HOMME DU TRAIN
    監督:パトリス・ルコント
    出演:ジャン・ロシュフォール/ジョニー・アリディ
    原作:「列車に乗った男」クロード・クロッツ
    受賞:2002年ヴェネチア国際映画祭 観客選出最優秀作品賞&最優秀男優賞、2004年ロサンジェ…

  2. ジャン・ロシュフォール!!!
    おーい、おいおい、おーい、おいおい……。
    ってこれは、ツッコミとか呼びかけとかじゃなくて、
    ある映画の公開を知って、思わずしてしまった男(?)泣き。
    その映画はこないだ公開したパトリス・ルコントの『列車に乗った男』。
    主演はジャン・ロシュフォール。
    最後に彼

  3. 『列車に乗った男』
    どんな人にとっても、人生はちょっと悲しい。

    そういうことが小さな通奏低音のように全編を貫いていて、ところどころちょっとした部分で表面化する。そして同時に、それはちょっ…

  4. 列車に乗った男

    クロード・クロッツ「列車に乗った男」*******
    5/46/40

    フランスの田舎町。良からぬ目的を持ってこの町に流れ着いた男ミランと、生まれてから一度もこの町を離れず、つまらん人生を送っている元高校教諭男マネスキエがひょんなことから出逢い、数日間寝食を共にするこ?..

  5. 列車に乗った男
    ルコント監督の『列車に乗った男』です。
    人と人との結びつきって,いったい何なんだろう。

    田舎町に降り立ったミラン(ジョニー・アリディ)。仲間と銀行強盗を計画しながら,決…

  6. TBをありがとうございます。
    はじめまして,mikioです。zazieさんのレビューを読ませていただいて,もしかしたら,視ているところが同じではないのかとちょっと驚いています。
    そして,何よりも,サイトのつくりが洒落ているだけでなく,配慮が行き届いている感じで,感心しきりです。どうぞ,宜しくお願いします。

  7. mikioさん、はじめまして。
    実はmikioさんから別Blogのほう(このBlogへ移行する前のもの)へTrackbackが来ていたもので、そのBlogを完全に閉じる関係で、閉じるほうのBlogからではなくこちらから送らせていただきました。
    (なので文章は読んだことがあったかもしれないですね)
    サイトのほう、詰めの段階で投げてしまう部分も多々ありますが、日々修正しながらやってます。嬉しい言葉、ありがとうございます。
    こちらこそよろしくお願いいたします。

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