『エレファント』を観ました。ガス・ヴァン・サント監督の新作であり去年のカンヌ映画祭パルム・ドール、監督賞をW受賞した作品。
かのコロラド州コロンバイン校の銃乱射事件をモチーフに、舞台をポートランドに移し、いつもと同じ「いちにち」であったはずの朝の惨劇を数名の登場人物にスポットを当て、それぞれの「いつもと同じはずであった朝」を淡々と描いています。
スクリーンサイズが広いと迫りくる圧倒感が良い場合があるのですが、この作品では最近では珍しいスタンダードサイズで(ゴダールの映画なんかはこのサイズが多いです)。狭めなこういったサイズでは逆に意識がスクリーンの中に入り込んでいく。大事件が起きる朝のいつもと同じ澄み切った青空に雲が流れるファーストシーンが特に印象的でした。
これを観て思い出したのが先日観た『きょうのできごと a day on the planet』という映画。こちらは惨劇が起こるということもないけれどやはり登場人物それぞれの「きょう」という同じ日を描いています。