十二人の怒れる男

十二人の怒れる男いわずと知れたクラシック映画の名作。17歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の討論の密室会話劇の傑作。これをモチーフにしたといわれる東京サンシャインボーイズの舞台の映画化『12人の優しい日本人』(レビュー)がお気に入りで、いつか観よう観ようと思って数年、ようやく観ました。:yes:
あちらが「もし日本で陪審員制度があったら・・・」というのを軸に面白おかしく描いたのに対し、実際に陪審員制度があるアメリカではもうちょっとシビアに観られていたのでは、と思う。

時代も今をさかのぼること40数年、台詞の中にも差別的・偏見的な意見が目立ち、なんら根拠のない個人的なフィルターを通してしか発言せず、人の擁護的意見に耳を貸さない人が多々出てきます。
エアコンが効かない蒸し暑い部屋での不毛な会話から、「話し合い」を続けることによって、そんな頑なな彼らの心を徐々に動かし、「疑わしきは罰せず」の精神に目覚めさせていき、ラスト、雨上がりの涼やかな裁判所を後にする陪審員たちの後姿は清々しくもありました。

2件のコメント

  1. Zazieさん、こんばんわ。この作品わたしも好きなんですよ。見たことなかったんで、ずっと気になっていて半年程前にNHKでこの映画のドラマ版を見たんです。その後しばらくしてテレ東でオリジナルを見ました。ドラマ版はオリジナルと違って時代は現代なんですがセリフはほぼ同じで設定もまったく同じ。違うのはもちろん出演者と人種構成でした。ドラマ版は陪審員にアフリカ系やヒスパニックも当然含まれていて主演はジャック・レモンでした。ほんとにこのドラマは舌を巻くくらいすごい出来です。舞台はあのせまい一室なのにあれほど緊迫感ある物語はなかなかないですね。まさに名作。

  2. tamakenさん、どうもです。
    ドラマ版も面白そうですね?。やっぱり時代時代で人種的立場とかも全然違ってくるだろうし、鍵になる人物の設定もまたそれ相応に。
    とはいえどんな時代設定でも挟むべきではないはずの私情やら都合が存在するわけで、そことどうやって折り合いをつけていくのか、というところが興味深いですね。
    室内劇なのにやけにドラマチック、時代は感じるけれど古さくないところがやはり名作といわれる理由でしょうか。

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