あちらが「もし日本で陪審員制度があったら・・・」というのを軸に面白おかしく描いたのに対し、実際に陪審員制度があるアメリカではもうちょっとシビアに観られていたのでは、と思う。
時代も今をさかのぼること40数年、台詞の中にも差別的・偏見的な意見が目立ち、なんら根拠のない個人的なフィルターを通してしか発言せず、人の擁護的意見に耳を貸さない人が多々出てきます。
エアコンが効かない蒸し暑い部屋での不毛な会話から、「話し合い」を続けることによって、そんな頑なな彼らの心を徐々に動かし、「疑わしきは罰せず」の精神に目覚めさせていき、ラスト、雨上がりの涼やかな裁判所を後にする陪審員たちの後姿は清々しくもありました。