2004年の締めくくり映画は『ベルヴィル・ランデブー』。
戦後間もないフランス。両親を亡くし、孤独で内気な子供シャンピオンはお祖母ちゃんと二人暮し。そんなシャンピオンが唯一興味を示したのは自転車。いつしかお祖母ちゃんと猛練習に励み、ついにツールド・フランスに出場。ところが競技中にギャングにさらわれてしまう。孫を救うため、お祖母ちゃんが老犬と三つ子の老婆と協力して大活躍・・・といった内容。
ほとんど台詞がなく、登場人物のしぐさや表情だけでストーリーは展開。昔のサイレント映画のようなたたずまい。ところどころにフランスらしい毒っ気やウィットにとんだ表現ありでしびれるしびれる!
孫を救いに行くお祖母ちゃんを助ける三つ子の老婆(TRIPLETTES DE BELLEVILLE:原題のベルヴィルの三つ子)のスーパーパワー(あれどこかで聞いたような・・・)は凄すぎて可笑しいやら麗しいやら。でも不思議な魔力と創意工夫で妙な説得感アリ。
監督が大好きだというジプシー・ジャズの創始者ジャンゴ・ラインハルトはキャラクタで登場。音楽も全編にわたって懐かしく洒脱なジプシージャズのテイストがいっぱい。そしてやはり監督がファンだというジャック・タチの『ぼくの伯父さんの休暇』のポスターがさりげなく貼ってあり、劇中映画が『のんき大将』。さまざまな仕掛けが楽しい!文句なし!
作品データ
タイトル | ベルヴィル・ランデブー |
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監督 | シルヴァン・ショメ |
キャスト | ジャン=クロード・ドンダ、ミシェル・ロバン、モニカ・ヴィエガ |
製作国 | フランス、ベルギー、カナダ |
製作年 | 2004 |
ジャンル | サスペンス,ファンタジー,コメディ |
備考 |
映画「ベルヴィル・ランデブー」
「ベルヴィル・ランデブー」”LES TRIPLETTES DE BELLEVILLE” 2002年/フランス=カナダ=ベルギー/80分 @テアトルタイムズスクエア(この劇場は毎週水曜は千円、女でなくても! ミニシアタ…