いわゆる普通の若手サラリーマン(生活には困らないが、うだつがあがらない)賢司は、高校時代の同級生でこれからデザイナーズブランドを立ち上げようとしている凌一と再会。ヒマだから、と凌一のアトリエに遊びに行く。アパートの一室で仲間である専門学校の教師をしている椿とロンドン帰りのカツオと共に生き生きとミシンを踏み、服を作り続ける彼らに魅力を感じ、とうとう会社を辞め、彼らの手伝いを始める。
無名の彼らがけっきょくそんなにトントン拍子で成功するわけでもなく、壁にぶつかってしまう。そこで事態をどう打開するか、というところで堅かったと思われた絆がもろくなる。
理想と現実のギャップを前にして、多少理想のレベルを下げてでも現実と摺り合わせようとする者、理想だけを追い求めて一発逆転を夢見る者、逃げ出す者・・・。誰がいいということもない成るようにしかならないのだ。
お話は割とありふれた、というかありがちな感じ、青春の光と影と挫折、といったところ。だいたい展開と結末をを予想できる種類のもの。
それはともかく行定作品でもお気に入りの2本『ひまわり』『贅沢な骨』と撮影が同じ(福本淳)という映像はとにかく魅せてしまう。ありふれた物語でもなんだか特別でステキに思えてしまう。誰でも夢を持ったり追いかけたり(追いかけてみたいと思ったり)したことがあるはず、きっとその奥にしまいこんだ部分をちょこっとくすぐる力を持っている。
作品データ
タイトル | ロックンロールミシン |
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監督 | 行定勲 |
キャスト | 池内博之、りょう、加瀬亮、水橋研二 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2002 |
ジャンル | 青春 |
備考 |