本作はこれまたお気に入り俳優のガエル・ベルシア・ベルナルが主要キャスト、期待せずにはいられない。アルモドヴァルといえばサスペンスに少々過激な愛の物語を含んだ作風で知られるところ、ガエルくんがどう料理されてしまうのか。しかもアルモドヴァルの半自叙伝ということでそのあたりも気になる。
1980年、マドリード。若くして成功を収めた映画監督エンリケ・ゴデのもとに、自作の脚本を携えた美青年アンヘルが訪れる。彼の本名はイグナシオ少年時代のエンリケの初恋の相手だった。
かつての面影の薄れたアンヘルに密かな失望を抱きながらも、彼の脚本に引きつけられていくエンリケ。そこに描かれていたのは、イグナシオとエンリケ自身が 16年前、厳格な寄宿学校で経験した悲劇に他ならなかった。アンヘルの主演で映画化を決断したエンリケは、やがてアンヘルの持つある秘密を知ることに……。
まずオープニングのタイトルバックがお見事。内容が少々アレでもこういうの見せられるととりあえず許せちゃう部分があります。(この作品はそういうこともなかったけれど。)
映画監督として成功を収めたエンリケの前に、少年時代の初恋の相手というかなり妄想と幻想をかき立てられる謎の美青年が突如現れ、スキャンダラスな脚本が持ち込まれる。「少年時代の記憶」・「脚色されたその後(劇中映画)」・「謎に満ちた真実」が折り重なって、謎が謎を呼び、真実が明らかになっていく。
物語が前後したり、劇中映画と本編ドラマが錯綜していくので、混乱してしまいそうだけれど、最後にはちゃんと繋がってしまう巧みさ。アルモドヴァルさん、さすがです。
いつものように鮮やかな色彩、印象的なショットも健在。ドラマチックなサントラもかなりツボでした。
作品データ
タイトル | バッド・エデュケーション |
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監督 | ペドロ・アルモドバル |
キャスト | ガエル・ガルシア・ベルナル、フェレ・マルティネス |
製作国 | スペイン |
製作年 | 2005 |
ジャンル | サスペンス,LOVE |
備考 |