韓国映画『サマリア』鑑賞。
母を亡くし、父と二人暮しの女子高生ヨジンは親友チェヨンといつからか「援助交際」をしている。ヨジンがセッティングをし、チェヨンが相手をするのだ。ヨジンはそんなお金の稼ぎ方に疑問と嫌悪を感じながらも、「インドの伝説の娼婦バスミルダ」を気取り微笑を絶やさないチェヨンに引っ張られるように続けてしまう。ところがある日ホテルに警察の取締りが入り、逃れようとしたチェヨンは窓から飛び降りてしまう。
チェヨンを失ったヨジンはその罪をあがなおうと一大決心をする。
(多少のネタバレあり)
その「あがない」としてヨジンはもう一度客と会って、今度はヨジン自身が相手をして返金ということをしていくのですが、そこで彼女は「チェヨンの微笑み」の意味を知るところとなります。彼女がどういう気持ちで男たちと接していたのか、男たちの相手をすることで彼女自身もなにかを得ていたのか。
もっと他に正しい方法はあったはずだけれど、ヨジンにはこういう方法しかとれなかったのだな、と思った。歪んだカタチではあるけれど、そうしてヨジン自身はチェヨンを失った悲しみを克服し、それまでの罪滅ぼしをしたつもりになれたのだ。
ところが、そんな行動が父の知るところになるとさらに悲劇が始まる。娘の事情がわかればやはり違う方法へ娘を導くこともできただろうに。ちょっとした行き違いで空回りするそれぞれの「思い」がとても切なかった。
作品データ
タイトル | サマリア |
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監督 | キム・ギドク |
キャスト | クァク・チミン、ソ・ミンジョン、イ・オル |
製作国 | 韓国 |
製作年 | 2005 |
ジャンル | サスペンス,青春 |
備考 |