ライフ・アクアティック

ライフ・アクアティックウェス・アンダーソン監督の新作『ライフ・アクアティック』鑑賞。
前作『ザ・ロイヤル・テネンバウムス』が予告が良すぎて期待しすぎたせいか、なんとも消化不良だったので、この人のはもういいかなぁと思いながらも、やはり予告に釣られて観てしまいました。今回の予告はいい具合に力が抜けていてアジがあったので。
まるでインチキで荒唐無稽な冒険家(自分で冒険も演出)スティーブ・ズィスーとその仲間チーム・ズィスー。その面々はその道一筋のエキスパート!というわけではなく、それぞれちょっとはぐれ者っぽい、みんなちょっとずつ拗ねてる感じ。
それでもキャプテンを愛し、とにかく着いていく。

コミカルで馬鹿馬鹿しいことこの上ない設定+ストーリーなんだけれど、底に流れるなんとも切ない物悲しさがある不思議な感覚。
こういった作品の登場人物というのはどこかマンガちっくで、現実味のないキャラクタが常だけれど、ここでは人間臭さが漂う。「ありえねー!」だけじゃ済まされない人間模様が描かれていたり(ま、それでもかなりヘンテコだけれど)、愛すべき人間的小ささがどのキャラクタにも見え隠れして、それがなんともいとおしいのだ。
もちろんウェス・アンダーソンらしく細部に渡りビジュアルにこだわった美術セット・衣装・ヘンテコ海洋動物CGの数々、特にズィスーのこだわりの船「ベラフォンテ号」の「横から真っ二つ」のセットはお見事!?でもせっかくだから長まわしのシーンでたっぷりと見せてもらいたかったなぁ。。。
そしてチームの保安担当にしてソングライターのペレ(セウ・ジョルジ:ミュージシャン)のポルトガル語でボッサ風になったデヴィット・ボウイのカヴァー曲を劇中生演奏で奏でる。最高にクール!

作品データ

タイトル ライフ・アクアティック
監督 ウェス・アンダーソン
キャスト ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ケイト・ブランシェット、ジェーン・ウィンスレット・リチャードソン、アンジェリカ・ヒューストン、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、マイケル・ガンボン
製作国 アメリカ
製作年 2005
ジャンル コメディ
備考

4件のコメント

  1. ■〔映画雑談Vol.4〕「脱力した時に心に効く映画10本・ダーリン篇」&『ライフ・アクアティック…

    皆さん、こんばんは?

    さてさて、
    脱力気味な時、気落ちしている時などに得がたい心的カンフル剤となってくれる(くれた)映画が僕には少なからずあります。

    ―という訳で、今…

  2. ライフ・アクアティック

    THE LIFE AQUATIC WITH STEVE ZISSOU
    (2005年アメリカ)
    2005/6/5@恵比寿ガーシネ

    あらすじは、特にないんですが。
    筋のない映画と思った方がいいと思いますが、
    知りたい方はどこかほかのとこa…

  3. 映画「ライフ・アクアティック」

    「ライフ・アクアティック」@恵比寿ガーデンシネマ
    “The Life Aquatic With Steve Zissou” (IMDb) 2004 USA

    映画サービスデーで千円+金曜日♪ 観に行っちゃいました。ちょっと眠かったけど。…

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