69 sixty nine

69 sixty nine公開時見逃した『69 sixty nine』をレンタルDVDで鑑賞。
村上龍の自伝的小説である原作はずいぶん前に読んでいてけっこう好きでした。読みやすいし、面白いし。その原作の楽しげな雰囲気はそこそこ残して、プラスでクドカン脚本らしさもある感じ。テンポもいいし、コネタもそこそこ効いていて普通に面白い。
けれど実際の1960年代の若者があんなに垢抜けているわけがなく、百歩譲って妻夫木聡は良しとしても、レディジェーン太田莉菜の足の長さったらないよ!21世紀の人だわ、やっぱり。

舞台は長崎県佐世保、米軍基地のある町だ。ベトナム反戦運動が高まり、大学紛争の激化で東大の入試が中止になった1969年、楽しく生きるをモットーにする高校生ケンは仲間のアダマ、イワセらを誘って、映画と演劇とアートとロックが一体になったフェスティバルの開催をぶち上げる。同時に、憧れのレディ・ジェーンの「デモやらバリケードやらする人、好いとるもん」との言葉に、勢いで学校のバリケード封鎖を思い立ち、実行。事態は警察沙汰になる大騒ぎになってしまう。
ベトナム反戦運動、大学紛争が盛んな時代。若者がやたら大人に刃向かって
自分たちの理想を掲げて、ひょっとしたら世界を変えられるかも?と考えていた(のだろう)。小難しい思想や哲学をぶち上げ、やたら討論をする。難しいこと言ったもん勝ち、みたいなものだ。
その時代をリアルで知っているわけではないけれど、父が(あの一連の騒動は)ちょっと醒めた目で傍から眺めるとバカバカしくて一緒になって騒ごうとは思わなかった、というようなことを言っていたのを思い出した。あれの所為で一般学生は学費を払ってるのに授業を受けられなかったのだと。
ケンはそんな風潮をあざ笑うがごとく、逆に利用する。思想も哲学も特にないまま、小難しい言葉を巧みに操り周囲を煙に巻き、「こいつ、只者ではない」と思わせることに成功するのだ。
「青春とはロックとエロスとハッタリである」。要は楽しんだモノ勝ち。それが良いか悪いかは別として。そこに傾ける情熱や努力は馬鹿にはできない。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。