『秘密のかけら』鑑賞。今年初めての映画館鑑賞、例年になく遅めのスクリーン初めでした。
作品はアトム・エゴヤン監督作で、ケヴィン・ベーコン、コリン・ファース出演のショウビズ内幕ミステリ。50年代のショウビズ界といえば色々胡散臭いことこのうえない雰囲気がぷんぷんする時代。華やかなスターさんの裏の顔、黒い世界とのつながり。
物語はケヴィン・ベーコン扮するラニー・モリスとコリン・ファース扮するヴィンス・コリンズのエンターティナー・コンビ。人気絶頂の彼らがその暗い影を覆い隠すかのように引き受けたチャリティのテレソン番組とそこで起きた変死事件、そして彼らのその後の人生の顛末をスキャンダラスに描いている。
彼らのスキャンダルを暴こうと野心に燃える女性ジャーナリスト(アリソン・ローマン)。彼女はかつて彼らの熱心なファンであり崇拝者であった彼女であったが、事件の真相に近づくにしたがってかつての「ヒーロー」像が汚れていくことに戸惑い、また彼らの世界?退廃的な迷宮へ足を踏み入れてしまうことになる。
ありがちな話ではあるものの、核心に迫っていくジャーナリストが実はどんどん深みにはまっていくというちょっと不思議な構成。若さゆえの弱さか憧れのヒーローに目をくらまされてしまったのか。とはいえあり得ないほど馬鹿馬鹿しい行動でも渦中に入ってしまえば、そのへんは麻痺してしまうものなのかもしれない。目が醒めて初めて真実を知ることになる、そのときはもう手遅れかもしれないけれど。
それはそうと久しぶりにシャンテシネに行ったのですが、全席指定になっていてビックリ。整理券制や席予約のできる映画館が増えつつある昨今でも、わりと最近までここは頑なに「行列順」を採っていたのでした。しかもまるっきりの単館上映作品も少なからずあり、「どうしてもコレが観たい!」というのがあったら、どんなに混んでいようと諦めて並ばなければならなかったのです。しかも人気作多し。
そんなこんなで観たかった作品何本か逃しましたよ、去年は。これからは安心して観にいけるかと思うとちょっとウレシイ。
「スウィート・ヒアアフター」でカンヌ映画祭グランプリを受賞したカナダの鬼才アトム・エゴヤン監督が、1950年代のショービズ界の光と闇を描く異色サスペンス。「ミスティック・リバー」のケビン・ベーコン、「真珠の耳飾りの少女」のコリン・ファース、「ビッグ・フィッシュ」のアリソン・ローマンが共演。舞台で不思議の国のアリスに扮した少女がジェファーソン・エアプレインの曲「ホワイト・ラビット」で踊る場面がある。
2005年製作/108分/R18+/カナダ
秘密のかけら : 作品情報 – 映画.com
原題:Where the Truth Lies
配給:ムービーアイ