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映画『僕のニューヨークライフ』

Jo WiggijoによるPixabayからの画像

ウディ・アレンの新作『僕のニューヨークライフ』鑑賞。
最近のウディ・アレン出演の作品といえば、80年代そのままのキャラであの風貌でやられるもんだから若干痛々しさが感じられてちょっと苦手だったりもしたのだけれど、今回はその役回りを7割ぐらい若手(ジェイソン・ビッグス)に引き受けさせて、まるで21世紀版の『アニー・ホール』みたいな気の利いた作品になっていたのでした。

ちょっと神経質で、ガールフレンドのことばかりを考えていて、周りから振り回されっぱなしでストレスフルになり、セラピーに通い詰め。いつのもアレンお馴染みのキャラクターがアレンでなくジェイソン・ビッグスが演じる。ジェイソン・ビッグスといえば『アメリカン・パイ』のカレで、その「人に振り回されっぱなし人生な演技」はお見事。

彼を振り回す元凶となるガールフレンドはクリスティーナ・リッチ。彼女は「エキセントリックかつ神経過敏な女の子役」では右に出るものはいないんじゃ?と勝手に思っているのですが、やはり貫禄のキレ演技に圧倒。アレン自身はヘンテコで過激な老作家を演じていてそれがまた物凄い影響力をもつキャラクタで、主人公のジェリーはすっかり感化されてしまうのが見もの。
これよく考えるといわゆる現代人の悩みやストレスをけっこうシビアに描いていたりするのだけれどそれをあえて「痛々しいけれど可笑しくて、苦みばしった笑い」に出来るウディの職人技には感服です。
「ウディ、もう出なくてもいいよ」と思った時期もあるのですが、これでちょっと考えなおしましたです。

僕のニューヨークライフ | January 21, 2006 (Japan) 6.3

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