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映画『ホテル・ルワンダ』

PortraitorによるPixabayからの画像

Hotel RwandaちょっとPostが前後してしまいましたが、先月末に観た『ホテル・ルワンダ』のレビューを。
日本では公開予定がなかったものの、熱心な映画ファンの署名活動によって公開が実現。そんなこんなでメディア注目度、前評判も高かったため「2時間前に行かなければ座れない」という噂も出たほど。(実際、当日も水曜サービスデイということもあったせいかその日は全部の回で満席立ち見、私は昼に夕方の回の整理券を取って観ました)
肝心の作品について。日本人ではほとんど一般的には知られることがなかった「ルワンダ紛争」の渦中でホテル支配人がホテルに難民をかくまった100日間の物語。実話です。紛争・暴徒による虐殺、国連やアメリカによる介入が(ソマリア内戦で失敗したため)ルワンダでは避けられるという悲劇。

過去の因縁で敵対する2つの部族が世界から孤立、隔離された状態になってしまい、武力や権力を持たないものは(かなり楽観的な言い方をしてしまうと)運と知恵で乗り切るしかなくなる。
主人公ポールは妻が命を狙われていたツチ族であったため、敵対するフツ族に家族が狙われ、万事休すのところを高級ホテルの支配人であるという地位を最大限に生かし乗り切る。
事態が悪化するにつれ、軍のお偉いさんや海外の要人に顔が広いポールを頼り集まってくる隣人たち。ポールはやむなく唯一の中立地帯のように化したホテルにツチ族の人々をかくまうようになっていく。いつしかホテルの難民は1200人を越えるようになっていた・・・。
1200人もの命を救ったヒーローは、いちホテルマンであり、いち父親であったという大前提があって、半分は成り行きかもしれないけれど、彼を頼る人々?難民、ホテルの従業員たち、親を殺されてしまった大勢の孤児、海外ボランティアの人々に突き動かされるかのように立ち上がり普通であって普通でない一人の勇気が(100万分の、であっても)1200もの命を救ったのだ。
とかくこういった内容で2時間強というなかなかヘビィな作品だけれど、ありがちな大げささや説教臭さもなく、飽きることもなく(こういう状況下でもときに子供たちの楽しそうな姿もあったり)、無駄に虐殺の様子を描くこともなく、と素晴らしい出来でした。

ホテル・ルワンダ | January 14, 2006 (Japan) 8.1
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