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小説『間宮兄弟』

兄はふられると、やけ酒にはしる。
弟はふられると、新幹線を見にいく。

(本文より)
そういえばずいぶん前に『間宮兄弟』を読んだのでありました。実はその数日前に映画の予告を観ており、兄がササクラさん(佐々木蔵之介)、弟がツカジ(ドランクドラゴンの塚地武雄)となかなかなインパクトだったので、脳内では兄と弟のキャスティングがされた状態での読書となりました。兄弟とも30↑でカノジョいない歴が自分の年齢分。そろいもそろってボードゲームやジグソーパズル、クロスワードパズルが大好きで、ひいきの野球チームのスコアをつけるために定時に帰宅、友だちらしい友だちがほとんど居ない、基本的に兄弟でべったり。風貌もちょっとさえない。(兄はひょろ長く、弟は小太り)
女子としてはいわゆる「引く」要素がてんこ盛りなのだけれど、それでもなかなかどうして「生暖かく見守っていたい」と思わせるところがあって、それはきっとそのお育ちの良さがにじみでるところなのではないかと思うのです。

彼らの生い立ちはそこそこ豊かな家庭で、理解のある両親に愛情たっぷりに(甘やかされて、というわけではなく)に育てられ、おそらく「敵なし状態」で、それこそ「純粋無菌培養」みたいな感じ。そんなわけで基本的に「悪意」らしきものが彼らの中にほとんどない、そこがなんとはなしに心地いい。
しかしその分ヘタレであったり思い込みが激しかったり、な部分は否めないワケでそこらへんで「だからダメなんだよ?」と思わずツッコミを入れてしまう。けれど現実の日常なんてカッコいいことよりもカッコ悪いことのほうが多いのも事実で、だからこそ「がんばれー」とも思えてしまうのです。
原作読んだらますます映画が楽しみになったのですが、監督森田芳光ですか・・・、どうなんでしょう。『模倣犯』ショックを未だ引きずり気味なのですが・・・、コメディだから大丈夫か。とりあえず予告編はいい感じでした。これはホント。

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