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映画『デス・プルーフ in グラインドハウス』

Šárka JonášováによるPixabayからの画像

タランティーノがロドリゲスと組んで「俺たちをおたくにしてくれたあの映画をもう一度」ということでグラインドハウス・ムービーにオマージュをささげて制作された2本の映画『デス・プルーフ in グラインドハウス/プラネット・テラー in グラインドハウス』。
グラインドハウスとはB級映画ばかりを2本立てや3本立てで上映し続ける映画館の総称で、その昔日本にもたーくさんあったようです。今では浅草ぐらいか?
かかる映画はB級ホラー、バイオレンス、カーアクション。いわゆるキワモノ的低予算映画で、’60年代?’70年代にうじゃうじゃあったトンデモ映画、今となってはカルト的人気を誇る映画もあるかと思います。(邦画も同様な作品が多々あり)
というわけで、タランティーノは「カー・アクション、バイオレンス、ホラー」ロドリゲスは「ゾンビ、ホラー」作品を制作。
本国では2本立てでの上映だったけれど、日本ではなんらかの事情で別々の公開。先陣を切ったのはタランティーノの『デス・プルーフ in グラインドハウス』。

こういった映画に物語はあってないようなものだけれど、この作品は2部構成となっており、いわゆる「グラインドハウス・ムービー」の王道「女の子たちがドライブしてお酒飲んでダラダラおしゃべりして男たちをたぶらかしたり、たぶらかせたり。やがて殺人鬼に目をつけられギャー・・・!」の「ギャー・・・!」部分が1部と2部でだいぶ違う展開となる。

1部2部とも、どちらかというと「くだらない」ガールズ・トークから始まる。
可愛い女の子が可愛い格好してお尻をぷりぷりさせながら男やら仕事やらのことで怒ったり拗ねたり仲直りしたりの繰りかえしのアレで「男目線のガーリームービー?」な幻覚に見舞わされたり。しかしここはタランティーノ作品らしく会話のシーンがなかなか面白い、しかも内容がなにげなくマニアック。
1部では音楽の2部ではカーアクションムービーの熱いトークが繰り広げられるわけで、これがのちのちの展開にちょっとしたスパイスとして効いていくのです。

もちろん目玉はカーチェイスのシーン。今回CGは一切使わなかったというだけあって迫力満点。
燃費が悪そうなバカでかい車が2台が追っかけっこしながらガンガンひた走り、ドガーン、ズガーンとぶつけたりぶつけられたりそりゃもう大騒ぎ。

くだらないけどすごいー、面白いーと思う反面、アメリカって本当にこういうことやってそうだからまた怖い・・・とか思ったり。(環境とかいまひとつ関心薄いとかいう風潮はこのへんか?と思ったりなわけで)
そしてタランティーノ作品のお楽しみといえばファッションと音楽。
今回は物語のほぼ70%は占められると思われるガールズトークのシーンがあるので可愛い若手女優さんがズラリ。
スラーっとした足を惜しげもなく晒したミニスカ、ホットパンツ、ピタッとしたTシャツ。ヘアスタイルも個性があってかなり目の保養となります。シンプルな格好なのにやたら素敵なのはやはりスタイルの所為?

音楽はやはり60年代70年代ちっくなラインナップでさらに作品をもりあげます。エンディングテーマのApril Marchの”Chick Habit“はこじゃれポップ好きにはたまらないと思われます。
ともあれ、期待を裏切らないB級っぷりですが、ここまで徹底するあたりやっぱりタランティーノの「おたく魂」あるいは「グラインドムービ☆ラヴがひしひしと伝わってくる作品なのでありました。

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