タナダユキ監督、蒼井優主演『百万円と苦虫女』を鑑賞。
短大を卒業後、就職するでもなくフリーター生活の鈴子は自立しようと家を出るが、ある事件をキッカケに実家生活に逆戻り、そのせいで地元にも居辛くなり「百万円を貯めたら家を出る」と宣言し実行。
人と関わることで痛い目に遭い続けていた鈴子は、彼女なりの処世術として「百万円を貯めては居場所を捨てていく」生活を始める。
鈴子は言う「自分探しなんてしたくない、探さなくたってここにいますから」。
彼女が彼女であるがゆえに遭ってしまう不幸から逃れるかのように転々と居場所を変えていっても「ついてくる自分」、自分が変われるかどうかなんてことよりも、どうしようもない十字架を背負ったかのような「苦虫顔」でいるしかない現実。そこから逃げていくばかりの生活。
でも行く先々では痛い目に遭うばかりではない、ちょっと優しくされたり褒められたりもする。戸惑いながらも少しずつ鈴子は成長していく。
映画のラストではキッチリと「今までの自分」にケリをつける鈴子、ほろ苦くもあるけれど清々しかった。
解説
「さくらん」の脚本家タナダユキが監督、「ニライカナイからの手紙」「フラガール」の蒼井優主演で送る青春ムービー。短大を卒業後、就職もできずフリーター生活を送る鈴子。ひょんな事件から家族の元を離れ、100万円を貯めるごとに引越しを繰り返す生活を始める。様々な人との出会いを通じ、鈴子は少しずつ人の心の温かさに触れて成長していく。共演に森山未來、ピエール瀧ら。主題歌はクラムボンの原田郁子が担当。
百万円と苦虫女 : 作品情報 – 映画.com
2008年製作/121分/日本
配給:日活
百万円と苦虫女
| July 19, 2008 (Japan)
7.2