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映画『崖の上のポニョ』日本アニメの手描き力!

rocky formations near rippling ocean water

Photo by Lachlan Ross on Pexels.com

スタジオジブリの最新作、『崖の上のポニョ』を鑑賞。前評判は賛否両論、環境がどうとか、倫理的なところがどうとか。

正直どうなのよ・・・と思いながらも、やはり「オール手描き」×宮崎駿をメインの目当てに観てまいりました。

映画開始早々から、現実社会が舞台のようで、でもちょっと違和感のある描写が目白押しで「???」となるも?そこここで書かれているような親子で呼び捨て?とかなんで魚なのに髪生えてるの?とか?、そこにこだわっていてはいかん作品なのだと気づいてからは、「ポニョは妖精」「あの現代日本の港町に見える町は未知の島」等々・・・脳内で矛盾や野暮な大人目線から置き換えることに成功。

それ以降は「ポニョポニョ」と楽しめましたよ。おわり。

・・・というのは冗談で、つづき。(ネタバレあります)

物語は人間の男の子・宗介に一目ぼれした魚の女の子・ポニョが人間になりたがり、まわりがお膳立てして一件落着。これだけ。

しかしながらポニョは魚の子というよりは海の子、形体は魚のようでも母は海の女神だし父は元人間。ポニョが宗介に会いたいがために借りた「魔法の水」はおそらくもともとの大本の「地球の生命の水」なのでしょう、太古の昔、そこから微生物ができ、(すっとばして)魚になり、(さらにすっとばして)やがて人間へと進化してきているわけで、ともすれば人間もみんな「魚の子?」であるともいえる。

ポニョが持ち出した「魔法の水」によって現代と太古が入り乱れて大混乱になり海に沈んだ町は太古の魚が悠々と泳ぎ・・・となると、ポニョが魚から人間に変身ではなく、この混乱の中ものすごい速さで進化(生物学的上)したと考えるなら、それもありかと思えたり。

その「魔法の水」(生命の水)に対して、進化のために海を汚染した人間は悪かといえばそうでもなくて、ポニョが海に捨てられたビンに嵌れば助けるし、大津波に町がのまれても抗うことなく助け合って逞しく生きていこうとしていたり、底意地が悪い人など誰一人出てこなくて。人間も捨てたもんじゃないよ、と思わせてくれたり。

とかなんとか改めて思ってみたりしたのでした。

それでメインのお目当ての「オール手描き」ですが、やはりすごかったです。おそらくこの映画の一番の見せ場であろうポニョが引き起こした津波のシーン、「うねうね、サッパーン」のタイミングが絶妙で、でも手描き感がたっぷりで迫力があるんだけどどこか愛らしいというか、懐かしいというか。「千と千尋の神隠し」にも坊の暴れるシーンや「パプリカ」の夢の行進のシーンも思い出したけれど、やはり全然違う。

また、それ以外のシーンでも、その色彩に、オリジナリティあふれるキャラクターに風景にずいぶん感心させられました。日本アニメの手描き力はすばらしい。

音楽はもはや「座付き作曲家」といってもいい久石譲、良くないわけないじゃない。

難しいこと考えないでも楽しめる、難しいこと考えてもそれなりに考えられる。野暮は言わない・考えなければ、十分楽しめる作品です。

解説

宮崎駿監督が「ハウルの動く城」以来4年ぶりに手掛けた長編アニメーション。海辺の町で暮らす5歳の少年・宗介は、クラゲに乗って家出した魚の子ども・ポニョに出会う。すぐに仲良くなる彼らだったが、ポニョはかつて人間だった父・フジモトによって海に連れ戻されてしまう。ポニョは父の魔法を盗んで再び宗介のもとを目指すが……。アンデルセン童話「人魚姫」をモチーフに、人間になりたい魚と少年の心温まる交流を描いたファンタジー。
2008年製作/101分/G/日本
配給:東宝

崖の上のポニョ : 作品情報 – 映画.com
崖の上のポニョ | July 19, 2008 (Japan) 7.6
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