フランス映画『恍惚』鑑賞。
監督は『ドライ・クリーニング』のアンヌ・フォンテーヌ。何不自由なく暮らす上流階級の妻カトリーヌ(女医で主婦)が、夫への浮気の疑惑を持ち、果ては娼婦マルレーヌをやとって夫を誘惑させ情事の一部始終を報告させようとする。
何をおいてもキャストが豪華、妻にファニー・アルダン、夫がジェラール・ドパルデュー、娼婦がエマニュエル・ベアール。
アルダンとドパルデューというと思い出すのが『隣の女』元恋人同士の禁断の恋に身を焦がした2人が今度は冷め切った夫婦を演じる。
「プロだからなんでもない」と、こともなげにマルレーヌが赤裸々に語る夫との情事の一部始終を時には嫌悪を持ちながらも聞き、蔑みながらも報酬を払い続けるカトリーヌ。2人の秘めた共犯関係は奇妙で危うい関係に陥る。
マルレーヌによって語られる官能的な描写は一切映像には出てこない、言葉で語られるだけである。マルレーヌの報告から徐々に自身の官能性に目覚めていくカトリーヌの葛藤と動揺。意外な結末が彼女の喪失感をより際立たせる。
作品データ
タイトル | 恍惚 |
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監督 | アンヌ・フォンテーヌ |
キャスト | ファニー・アルダン、エマニュエル・ベアール、ジェラール・ドパルデュー |
製作国 | 2004 |
製作年 | フランス |
ジャンル | サスペンス,LOVE |
備考 |