『イン・アメリカ 三つの小さな願いごと』レンタルDVDで鑑賞。
かつて幼い息子を失うという不幸に見舞われ、未だに心に深い傷を持っている若い夫婦ジョニーとサラ。俳優を目指すジョニーはアイルランドから夢と希望を持って、二人の娘を連れてニューヨークへ渡ってきた。一家はボロボロのアパートで新しい生活を始めるがなかなかうまくいかずに窮地に追い込まれてしまう。しかしハロウィンの日、姉妹は同じアパートに住む画家マテオと出会い、奇跡の物語が始まる。

ジム・シェリダン監督の半自伝的作品で、実の娘２人が共同脚本を手がけている。
前半はイヤになるぐらい不幸の連続で、これまた父親（監督本人がモデル）が不器用で、ちょっと短気で世渡り下手というかで、何をやってもうまくいかない。観ていて苛ついてしまうほど。「それじゃあ家族は大変だ」と普通に思ってしまう。母親はよく出来た人で頑張ってはいたけれど、可哀想でしょうがない。
そんな悲惨な状況においても、子供から見た父のたくましさや、母の優しさ。金銭的に貧しくても愛情を注いでもらう幸せが、思い出を紡いでいく。
あまり理想的でない隣人たちでも、彼女（姉妹）たちによって変えられていったかのよう。
キャストでも実際の姉妹だという二人の娘（ぱっと見はあまり似ていない）、が定評通りすばらしくて、長女のちょっとシビアな（心配性な）目線と次女（末っ子）ののんきで無邪気な目線とで、悲惨な物語に光を差し入れる。

作品データ